2009年(1〜12月)の福岡県『民間分譲マンション需給動向』および『販売実績ランキング』がまとまった。09年1年間に県下で供給された分譲マンション(実需型+投資型)は1万21戸で販売は6150戸。販売率は61・4%。09年末時点での残戸数は3871戸。「販売実績ランキング」は実需型デベロッパーでは九州旅客鉄道、投資型デベロッパーではえんが首位に立った。九州旅客鉄道は、09年上半期首位の余勢を駆って、新栄住宅の追撃を振り切り年間でも首位に、えんは投資型部門で7年連続の首位となった。09年は1月26日、シックスの自己破産に始まり、栄泉不動産、穴吹工務店の会社更生法申請。6月にはロワールが自己破産するなど、08年の金融危機の影響で幾多のデベロッパーが業界から姿を消した。また、金融機関の融資姿勢の硬化からデベロッパーは新規の供給がし難い状況に陥っている。各社は再販事業、リノベーション、戸建販売など生き残りの方策を模索中だ。新栄住宅のように、不動産管理業へと大きく舵取りをした業者もある。2010年は民主党政権による優遇税制や住宅エコポイント制の導入など、冷え切った需要にカンフル剤が打ち込まれる。これらの施策が起爆剤となり、再び県下のマンション業界に活況が戻ることを期待したい。
福岡県下で09年にマンションを供給したデベロッパーは18の共同事業体を含め89社(単独事業は71社)。デベロッパーは08年から16社減少している。このうち09年に新規物件を供給したのは47社で、前年から13社減少。残りの42社は在庫整理を進めた。
販売実績ランキング上位50社の内訳は▽地場業者36社▽大手6社▽共同事業体5社▽域外業者3社となっている。
09年「販売実績ランキング」上位10社の供給戸数合計は4714戸。総供給戸数(1万21戸)に対し47・0%と、ほぼ半数を占めた。また上位10社の販売戸数合計は2521戸で、総販売戸数(6150戸)の41・0%を占めている。
「販売実績ランキング」の首位は、3年連続となるえん。総供給戸数619戸で内訳は▽繰越在庫90戸▽新規供給529戸。販売は424戸で販売率は68・5%。09年は7棟の新規物件を供給。同社初となる実需型物件「エンクレスト長丘翠邸の杜」(福岡市南区、21戸)を供給。立ち上がりは苦戦したものの、年末時点では7割超が成約となった。09年は新規物件の供給戸数でも、県下の首位に立っている。
2位は九州旅客鉄道。総供給戸数604戸に対し、418戸を販売。販売率は69・2%。実需型デベロッパーでの首位となった。09年は6棟の新規物件を供給。大型物件「MJR千早ザ・タワー」(福岡市東区、170戸)も年末までほぼ9割を成約。また09年6月に春日市で供給した「MJR春日原南町」(96戸)は初月の成約率が8割を超える驚異的な立ち上がりで、販売開始6ヵ月で完売となった。
3位は新栄住宅。同社は09年の新規供給はなく、すべて在庫物件の販売となった。総供給戸数406戸に対し、359戸を販売。販売率は88・4%。09年期首から積極的な販売攻勢をかけ、9物件中6物件が完売。注目の「アイランドタワースカイクラブ」(福岡市東区、409戸)も9割超が成約となり、最終コーナーに差し掛っている。
4位は西日本鉄道。総供給戸数555戸に対し245戸を販売。販売率は44・1%。09年の新規供給は5棟390戸(2期販売以降分77戸含む)。同社は激戦区の福岡市東区で新規物件3棟・225戸を供給。東区で09年に供給された新規物件の約4割を占めている。
5位は第一交通産業。供給は大牟田エリアを除き筑豊、京築を含む全県に及んでいる。総供給戸数603戸に対し、243戸を販売した。今期の供給は▽福岡市1棟・66戸▽北九州都市圏3棟・250戸。福岡市では「アーバンパレス小笹ステージ」(中央区、総148戸)、北九州市では「グランドパレスプラウド到津」(小倉北区、総116戸)の大型物件を販売中だ。
上位5社でデベロップメント事業以外に本業を有する企業が3社ランクされている。いずれも電車、バス、タクシーといった交通系の企業であることが特徴。金融機関の融資姿勢が硬化する中、マンション事業単独業者が新規物件の開発に苦慮していることが伺える。
6位はダイナ。総供給戸数376戸に対し、239戸を販売。今期は2棟・135戸を新規に供給。投資型物件購入者への融資は実効され難くなっているが、年末までに6割内外の成約を果たし、健闘している。
7位はあなぶき興産九州。アーサーヒューマネットからの継承物件はすべて完売。自社ブランドの「アルファステイツ」を展開している。総供給戸数306戸に対し、226戸を販売。販売率は73・9%。今期の新規供給は3物件・169戸。「アルファステイツ宰都」(太宰府市、44戸)と「同九大学研都市駅前」(福岡市西区、80戸)は6割近い成約を果たしている。
8位は西武ハウス。今期は粕屋郡での大型物件「モントーレヴェルキューブシティ福岡空港駅」(総259戸)を供給。また、破綻した章栄不動産とインベストの再販物件を手掛け、いずれも完売。総供給戸数422戸に対し、222戸を販売している。
9位は北九州の大英産業。総供給戸数345戸に対し、219戸を販売。販売率は63・5%。新規供給は「サンパーク浅生レジデンツァ」(北九州市戸畑区、38戸)の1棟。今期は08年に供給した「サンパーク鉄王」(北九州市八幡西区、190戸)などの大型物件の販売に注力。「同海老津駅前」(遠賀郡岡垣町、38戸)など継続2物件は完売となっている。
10位は泰平建設(タイヘイ含む)。総供給戸数478戸に対し、169戸を販売。今期の新規供給は北九州市で「サンライフ萩ヶ丘公園」(門司区、67戸)、「同下曽根」(小倉南区、30戸)など3棟・162戸。久留米市では「サングレート六ッ門」(80戸)、福岡市では「サングレート高宮アヴァンセ・第1期」(南区、10戸)を供給。継続物件のうち「サンライフ八幡駅南U」(北九州市八幡東区、36戸)など2棟が完売している。